安全性の高さから人気の高いオイルヒーター。しかしオイルヒーターの電気代は高いため、購入をためらう人がいるのも事実です。
この記事では、オイルヒーターの特徴からメリット・デメリットまで余すことなく解説します。ほかの暖房器具と比較して、どのくらいの電気代がかかるのかも詳しくご紹介。さらには効率的なオイルヒーターの使い方まで解説しますので、オイルヒーターについて知りたい方には大変参考になる内容です。
おすすめのデロンギやアイリスオーヤマのオイルヒーターもご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
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まずはオイルヒーターの仕組みをお伝えし、どのような特徴があるかを解説します。
オイルヒーターの仕組み
オイルヒーターは簡単に言うと「電気で油(オイル)を過熱することで熱気を発生する暖房器具」です。フィンと呼ばれる放熱板の付いた容器の中に難燃性(なんねんせい)のオイルを密封し電気によってオイルを過熱、パイプ内を循環させてパネルから放熱し空間を暖めるという仕組みです。火や温風を出さないので、やけどをしたり火災を起こしたりする心配がなく、安全性が高いという利点があります。
引用:デロンギ公式サイト
オイルヒーターの特徴は太陽のような優しい暖かさ
オイルヒーターの特徴として、本体から放出されるのが輻射熱(ふくしゃねつ)ということが挙げられます。輻射熱とは物体から熱エネルギーを電磁波として放出する現象のことで、空気に影響されることがありません。そのため寒い風の中でも熱を伝えることが可能です。また物体に当たることにより熱を放射するので、部屋中に暖かさが均一に広がります。
太陽の暖かさもこの輻射熱によるものです。つまりオイルヒーターは、太陽のように優しく均一に部屋を暖めることができる暖房器具ということになりますね。
オイルヒーターの電気代はどれくらい?
それではオイルヒーターの電気代はどれくらいでしょうか。ここではオイルヒーターの消費電力を具体的に見てみましょう。まずは消費電力について簡単に解説します。消費電力はW(ワット)で表され、電化製品を使用するときの電力の量のことを言います。一般的な消費電力量の計算式は以下になります。
- 消費電力量(kWh)=消費電力(W)×時間(h)÷1000
これからオイルヒーターの、1日の電気代の計算式は以下のようになります。
- 電気代(円)=消費電力(W)÷1000×使用時間(時間)×1kWhあたりの電力量料金(円/kWh)
この計算式をもとにしてオイルヒーターの人気ブランド「デロンギ」の電気代を計算してみます。まずは下記の表を見てください。エコモードと通常モードのそれぞれで比較しました。
暖房器具 オイルヒーター | エコモード | 通常モード |
リビング(10畳) | 1時間あたり平均14.0円 | 1時間あたり平均18.2円 |
子供部屋(8畳) | 1時間あたり平均10.6円 | 1時間あたり平均12.7円 |
寝室(6畳) | 1時間あたり平均7.8円 | 1時間あたり平均8.8円 |
【シミュレーション条件】デロンギ公式サイト
建物の構造・断熱性:RC集合住宅・運転時間:9時間(リビング:13時~22時、勉強部屋:13時~22時、寝室:22時~翌7時)外気温:東京の12月上旬の気温/1kW/時の電気代は「全国家庭電気製品公正取引協議会」より「新電力料金目安単価」の1kWhあたり「27円(税込)」を目安としています。
上記の表から考えると、寝室でオイルヒーターをエコ運転で夜間つけっぱなしなら1時間あたり7.8円。夜8時間使用で62.4円です。またリビングで24時間つけっぱなしでは336円。ここから1ヶ月のオイルヒーターの電気代は、10,080円になります。
またオイルヒーターは温度設定に段階があり、温度設定が3段階だと600~1200W、5段階だと300〜1500Wあたりが平均になります。MAXの1500W消費電力を計算すると1時間あたりの電気代は40円。1500Wで使用しているとかなりの電気代がかかることがわかりますね。ただしオイルヒーターを利用する時はエコモード機能にすることで、電気代を20%ほど節約できます。ぜひ覚えておいてください。
他の暖房器具と電気代を比較すると?
オイルヒーターに電気代がかかることはわかりましたが、ほかの暖房器具と比較するとどうなのでしょうか。ここではほかの暖房器具と比較して1時間の電気代がどのくらいなのかを見ていきます。
【1時間あたりの電気代】※電気代は1kWhあたり27円での計算
暖房器具 | 消費電力 | 電気代 |
オイルヒーター | 600~1500W | 7.0~40.0円 |
エアコン | 680W | 18.36円 |
電気ストーブ | 300W~1,200W | 8円~32円円 |
ホットカーペット(3畳用) | 700W | 18.9円 |
こたつ | 100~600W | 2.0~4.0円 |
床暖房(8畳) | 1500W | 40円 |
消費電力が高いほど暖房器具は電気代がかかるため、一覧表を見てみるとオイルヒーターと床暖房の電気代が高いのがわかります。エアコンと比較すると倍近い差があります。しかしオイルヒーターの場合は消費電力が大きくなければ、電気代を抑えることが可能です。また部屋全体を暖めたいのか、部分的に暖めたいのかなどの状況や用途を考えることも大切なため、電気代だけでは一概に比較はできません。
オイルヒーターのメリットとは
ここからはオイルヒーターのメリットを詳しく解説していきましょう。電気代が高くても人気の高いオイルヒーターの秘密を詳しく解き明かしていきます。
オイルヒーターメリット①空気を汚さない
オイルヒーターのメリットのひとつは空気を汚さないことです。灯油ファンヒーターやガスファンヒーターは灯油やガスを燃焼するので、室内に一酸化炭素や二酸化炭素が充満する可能性があり換気をしなくてはいけません。しかしオイルヒーターは燃焼ではなく、熱によって空間を暖めるため空気を汚さず換気の必要もありません。花粉やほこりのアレルギーのある方にも向いています。
オイルヒーターメリット②高い静音性
オイルヒーターは稼働している間、音をほとんど立てません。エアコンやストーブに比べたら無音と言ってもいいでしょう。部屋の温度が低かった場合、暖まるまでにパチパチと小さな音を立てるくらいです。
オイルヒーターメリット③火傷の心配がなく安全性が高い
オイルヒーターは温風も出ず、高温になることがないため火傷の心配がありません。そのため安全性が高く、赤ちゃんや小さいお子さんがいるご家庭、また高齢者の方も安心して使用することが可能です。ただし長時間近くにいすぎたり触れていたりすると、低温やけどの可能性があるので注意が必要です。
オイルヒーターメリット④メンテナンスの必要がない
灯油ファンヒーターなど暖房器具はお手入れが面倒ですが、オイルヒーターは給油の手間もなくメンテナンスフリーで使いやすく便利なのも大きなメリットです。ほぼ表面の掃除をすればいいだけで内部の掃除は必要ありません。忙しい主婦の方などには大変便利な暖房器具と言えますね。
オイルヒーターメリット⑤空気が乾燥しない
オイルヒーターは温風を出すわけではなく、内部のオイルを加熱し放出した熱で部屋を暖めます。そのため部屋が乾燥する心配がありません。肌が荒れたり喉を痛めたりする不安もないので睡眠時の暖房としては最適です。
オイルヒーターメリット⑥部屋全体を均一に暖めてくれる
輻射熱によって空間を暖めるため部屋全体を優しく暖めることが可能です。部屋全体が均一に暖まるので、常にストーブにくっつくことなく快適に過ごすことができます。
オイルヒーターのデメリットとは
オイルヒーターにもデメリットがないわけではありません。ここではオイルヒーターのデメリットをご紹介して、オイルヒーターへの理解をさらに深めましょう。
オイルヒーターデメリット①電気代が高い
前述したようにオイルヒーターは消費する電力量が大きいため、電気代は他の暖房器具と比較すると1時間当たり7.0〜40.5円と、どうしても高い傾向があります。
オイルヒーターデメリット②暖まるまで時間がかかる
オイルヒーターは、急速に温度が上がる仕組みではありません。そのため室内が暖まるまでには時間がかかります。室内の広さにもよりますが、部屋全体が暖まるまでには30分ほどの時間がかかる可能性があります。そのためすぐに暖まりたい方には向いていないかもしれません。
オイルヒーターデメリット③本体価格が高い
他の安価な暖房器具と比べるとオイルヒーターは一万円以上する製品が一般的で本体価格が高いというデメリットがあります。しかしその分エコモードやタイマー機能などが搭載されており、便利に使うことが可能です。
このようにオイルヒーターにはデメリットも存在しますが、いずれのデメリットもメリットを上回るほどの内容ではありません。デメリットを考慮してもオイルヒーターの魅力は大きいと言えるでしょう。
オイルヒーターの電気代を少しでも安くする方法とは?
オイルヒーターの電気代が高いのは消費電力が高いからです。そのため消費電力を抑えることで電気代を抑えることが可能です。ここではオイルヒーターを少しでも効率的に使用するためのコツをご紹介しましょう。
①窓際に置こう
オイルヒーターは窓際に置きましょう。オイルヒーターは暖まるまで時間がかかるので冷気が常に入りやすい状態では、余計に時間がかかり電力を食います。窓際から入ってくる冷気をオイルヒーターの暖気で防げば、効率的に部屋全体を暖めることが可能です。またドアの近くだと、ドアを開けるたびに暖気を逃がしてしまうので注意が必要です。
②エコモード・省エネモードを使用しよう
現在のオイルヒーターには、エコモードや省エネモードの機能を搭載したものが増えています。それらの機能を使用することによって、電気代を約20%も節約することが可能です。ただしエコモードなどを使用した場合は、通常より部屋が暖まるまで時間がかかる可能性があります。すぐに部屋を暖めたい時には、最初通常モードにして暖まったらエコモードにするなど、臨機応変に使い分けることが大切です。
③設定温度は低くしよう
輻射熱を利用するオイルヒーターは、ほかの暖房器具より体感温度が高く感じるという特徴があります。そのため設定温度が20℃くらいでも快適に過ごすことができ、一枚上着を羽織るなど工夫すればさらに設定温度をさげて節約することが可能です。
④エアコンと併用しよう
オイルヒーターだけではなく、状況に応じて他暖房器具を併用することも賢い方法です。オイルヒーターは暖まるまで時間がかかるので、その部分を補うためにエアコンでまず部屋全体を暖めます。その後オイルヒーターで室温が下がるのを防ぐ方法を取れば効率的です。またオイルヒーターは電源を切っても余熱があるため、就寝前より早めに電気を切るなど工夫をすることで節電ができます。
⑤タイマーを上手に利用しよう
オイルヒーターをつけっぱなしにすることが何より一番電気代がかかるため、タイマー機能を上手に利用することが必要です。就寝前にタイマーをセットし、起床する1時間〜2時間前に切れるようにセットしましょう。それだけでも電気代を大きく節約することが可能です。
電力会社を見直してみよう!
さまざまな節電方法がありますが、電気代の節約なら電力会社を見直すということも有効な選択肢のひとつです。現在、大手電力会社の東京電力や関西電力などの契約は、新電力に変更するだけで大幅に電気代を削減することが可能です。
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オイルヒーターのおすすめメーカー3選
最後にオイルヒーターのおすすめメーカーを厳選して3つご紹介します。オイルヒーターは部屋の広さへの対応や消費電力、機能の多さなどで価格も変わります。自分に合ったオイルヒーターを購入し、寒い時期もしっかりと暖かく過ごしましょう。
おすすめ①デロンギ
出典:amazon.co.jp
イタリアのブランドであるデロンギのオイルヒーターは世界中で使用されている人気の製品。イタリアのメーカーだけあり、スタイリッシュなデザインがお部屋をおしゃれに彩ります。また機能も省エネモードやタイマー機能など便利なものが多く搭載されています。
おすすめ②アイリスオーヤマ
出典:amazon.co.jp
家電製品でも知名度の高いアイリスオーヤマのオイルヒーターは、独自のフィンを使用して少しでも温まりやすいように工夫がされています。機能が少ないタイプのものは比較的安価な価格で販売されているので、購入がしやすいのが魅力です。
おすすめ③ユーレックス
出典:amazon.co.jp
ユーレックスは日本で唯一のオイルヒーターの国内生産を行っている企業です。そのため日本人のライフスタイルにあったオイルヒーターの販売を行っています。日本語による音声のガイダンスなど親切な機能が付属しており、高齢者にも使いやすいという特徴があります。
まとめ:電力を見直してオイルヒーターを有効に使おう!
オイルヒーターについて、仕組みから特徴、メリットやデメリットまで詳しくご紹介しました。電気代が高くつくというデメリットがあっても、安心で快適な暖かさのオイルヒーターの人気は揺らぎません。
この記事を参考にオイルヒーターの電気代を賢く節約し、さらに新電力会社への切り替えもぜひ検討してみてください。電力会社を変更するだけで、電気代が節約できる可能性は多いにありますよ!