公務員であり安定していると言われる警察官ですが、厳しい職場環境や人間関係から退職を考える人も多い職業です。配属先によってはブラック企業のようなパワハラやいじめがあり、うつ病など精神的に疲弊して退職する警察官もいます。
警察官は真面目で正義感の強い人が多い職業であるため、つらいと思っても我慢してしまう人や後悔するのではないかと悩む人もいます。ここでは警察官の離職率からどのような人が退職しているのか、警察官やその家族の体験談を紹介します。
また、警察官の退職手続きや、ブラックな職場で退職したくてもできない警察官が退職するための使うべき退職代行について詳しく解説していきます。
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警察官は離職率が低い
警察官の新規採用者が退職する割合は、民間企業の入社3年以内の退職する割合よりも低く、離職率の低い職業といえます。しかし、警察官の離職率を分析すると若くして辞める警察官が多いことがわかります。
令和元年度の退職状況を元に、実際に警察官の離職率を算出してみましょう。
令和元年度には1,609人(新規採用者総数に占める比率は18.5%)の女性警察官が採用されています
参考元:https://www.npa.go.jp/hakusyo/r02/honbun/html/w7711000.html
→計算すると、新規採用者総数は約8700人であることが分かります(計算式1609÷0.185)また、離職した警察官のうち52%は定年退職者ですが、約40%は普通退職者です。普通退職者数(在職期間の通算に伴う退職等を除く)は約3000人で、25歳未満の退職者は全体の51%の約1500人です。
参考元:https://www.soumu.go.jp/main_content/000736291.pdf→上記の数値で計算すると、25歳未満の離職率は約17%になります(計算式:退職者1500人÷総数8700人)
警察官と民間企業の離職率を比較すると、警察官の離職率が圧倒的に低いことがわかります。
平成29年に入社、その後3年以内に退職した新卒社員の割合は、大卒32.8%、高卒39.5%です。
参考元:https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000556418.pdf
このように、警察官は離職率が低い職業であるといえます。
警察官は試験を受ける必要があり、誰もが就けるわけではありません。また、警察官になる人は「警察官になりたい」と思って志すような正義感や責任感の強い人が多い職業です。
そのような志の高い人が多い職業でありながら、普通退職をした警察官の半分が25歳以下の若者だという結果に驚く人もいるのではないでしょうか。
若い警察官の退職者が多い理由には、配属先によってブラックな職場環境があります。
配属場所によってはブラックすぎる警察官の体験談
退職する警察官の中でも特に若い警察官の離職率が高い理由には次のようなものがあげられます。
・警察学校の生活が厳しい
・上下関係が厳しい
・職務環境が厳しい
警察官に採用された人は警察学校で厳しいルールの中で集団生活を送りながら訓練を受けます。毎日のように教官に怒鳴られ、自由がない生活から逃げ道がありません。その厳しさから身体的・精神的にボロボロになり辞めていく人も多いのです。
完全な縦社会である警察官は、各警察署に配属された後も新たな人間関係を築く必要があります。上司の意見は絶対であり、厳しい上下関係の中で、過度な叱責や嫌がらせなどのパワハラやいじめが起きることもあります。
また、激務であることも離職率が高い原因の一つです。夜勤やサービス残業はもちろん、休日でも呼び出されれば出勤しなければならず、転勤もあります。
家族との予定もキャンセルしなければならない場合もあるため、家族やパートナーの理解が得られないとプライベートを充実させることは難しい職業といえます。
パワハラ、追い込み、いじめで自殺未遂?うつ病やノイローゼになる警察官もいる
警察官の仕事はいつ危険な場面に遭遇するかわからないため、常に緊張感をもち強い精神力が求められます。そのため、厳しい訓練を受けることや組織として上下関係が厳しいことは必要です。
しかし、厳しさとパワハラは紙一重であり、警察という閉鎖された環境下では問題が表面化されないこともあります。特殊な仕事内容のため厳しさは仕方がないことかもしれませんが、職場によっては行き過ぎたブラックな職場もあります。
実際に悩んだ末に退職した警察官の家族の体験談を紹介します。
昨年で警察官を不祥事ではなく退職した息子がいます。年齢は31歳です。
小さな頃からの夢が警察官でした。
ただ、親として危険な仕事に就かせたくなかったので、進学を勧め理系大学卒業しました
私は、危険が伴う仕事なので反対はしていましたが、
息子は夢を大事にしたいと押し切り、警察官を約8年間勤めていました。ただ、憧れてた交番のお巡りさんから機動隊という部署に配属になり、
その当時のこと(仕事内容やどんな生活)をしていたのか話そうとしませんが、
うつ病になり、休職と復職を何度か繰り返して頑張っていましたが、
さすがに親としては見ているのがつらかったです。そんな息子が突如、「こんな体では人は守れない」と言い、退職をしてしまいました。
私自身も、息子の辛い姿を毎日送り出しては心配していたので、安心していました。ただ、今になり、落ち着いたのか退職理由を明かしてくれました。
退職後、自殺を考えていたそうです。(首筋にアザがあるので自殺未遂をしたと思います。)夢を叶え、潰えた息子には、未来がなかったんだと思います。
そして、家族に制服等を返却させるのが迷惑がかかり、悪いと思ったみたいです。さすがに、息子を慰め、叱りつけましたが、今は生きていてくれてよかったと思っています。
恥ずかしい話ですが、つい最近初めて付き添って通院しましたが、
主治医によると、「退職により完治したので、安心してください」と言ってくれましたが、
息子は最近、辞めたことばかり後悔していて、大震災後余計に
「仲間は役にたっている」や「警察官として困っている人の力にもうなれない」と落胆しています。
引用元:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1159386761
激務であり絶対的な縦社会である警察官は、警察学校や上司から厳しい言葉を浴びせられることも多いです。特に警察学校の教官は敢えて厳しく指導しています。警察官の働く現場では危険を伴うことも多く、これらに耐えられない人は警察官として働くこと自体が難しいかもしれません。
しかし、職場によっては過度な暴言や、仕事とは関係のない命令で相手を不必要に傷つけるような上司もいます。警察官にとって上司の命令は絶対です。そのため、自殺未遂やうつ病などに悩む警察官もいます。
精神的に病んでまで警察官を続ける必要はありません。国民の安全の前に自分の安全を守りましょう。
警察官の妻は苦労する現実。休みも呼び出されワンオペ気味との声も
警察官の仕事は厳しく、パワハラやいじめなどブラックな職場もあります。しかし、大変なのは働く本人だけではありません。警察官を夫にもつ妻の苦労もあります。
警察官と結婚することで安定した収入を得られることや、頼りがいがあり安心感があります。
しかし、配属先によっては休日でも呼び出しがあるためプライベートは制限されます。家族旅行や休日のお出かけもキャンセルしなければならないこともあります。また、転勤があれば引越しが必要になるなど生活環境が変わる可能性もあります。
警察官を夫にもつ妻はワンオペ育児や家事などの負担が増えます。また、危険な仕事も多い警察官は殉職するリスクもあります。
実際、警察官の夫をもつ妻の体験談を紹介します。
休みはあるがよく呼び出される。年末年始なんて関係ない。
単身赴任、引っ越しはあたりまえ。
数ヶ月の泊まり込み研修があったり。
浮気が多いっていうのも聞いた。夜勤だからって誤魔化される(ー ー;)
夜勤、日勤などローテーションで生活が不規則。
社宅の場合旦那さんの序列がそのまま奥様達の格付けになる。お歳暮お中元とかも大変。
部署にも寄るが危険な仕事である。仕事に関しては本当に配属先と旦那さんの昇進願望に寄りますが、家にいないから子育てもほとんど1人でしたとか、上に上がりたい人の奥さんは大変らしいです。
引用元:https://jobcatalog.yahoo.co.jp/qa/list/14117683639/
まず、休みがわからない。休みとなっていても前日に「明日出勤になった」なんてことが普通にあり、子どもたちの行事なんか毎回ヒヤヒヤ、私も両家の両親たちも振り回されっぱなしです。
海外旅行も上司の決裁や制限がある上に、いざとなったら途中で帰らないといけないかもしれないなどで、新婚旅行以来全く行けていません。
普通の旅行でさえ、県をまたぐ場合は書類(行き先・日にち・交通手段など)が必要です。うちは刑事課員なので、取り調べになると何日も帰れなかったり何週間も休み無しになります。
飲み会も多いです。
官舎に住んでいたときは、周りも似たような感じで「母子家庭みたい(笑)と言いつつ励ましあって頑張っていました。あと、災害など家族が一番必要としているときにそばにはいられない職業です。
引用元:https://jobcatalog.yahoo.co.jp/qa/list/14117683639/
うちも母子家庭と思うようにしてたときあります笑
休みの日も出勤、夜中でも平気で呼び出し、家にいませんよね
引用元:https://qa.mamari.jp/question/6305171
警察官の妻の意見では、夫は家にいないことが多く、休日の予定も立てにくいため、ワンオペ育児になりがちである等の体験談が多くあります。もしもの時は家族よりも仕事を優先しなければならないため、つらい思いをすることもあるようです。
警察官と結婚することで収入面などでは安定した生活を送ることもできますが、妻として理解や覚悟を持つ必要もあり、苦労している人も多くいます。
警察官を辞める方法。手続きに必要なこととは
仕事や人間関係が厳しい、家族の理解が得られない、家族の負担が増えてきて辛い等様々な理由で警察官を辞める選択をする人も多いですが、警察官を辞める時の手続きは民間企業とは違います。
警察官を辞める前に法律や手続きについて理解をしておくことでトラブルなくスムーズに円満退職がしやすくなります。公務員である警察官は国家公務員法や地方公務員法に則って退職手続きを行います。
国家公務員法61条には「職員の休職、復職、退職および免職は任命権者が、この法律および人事院規則に従い、これを行う」とあり、任命権者の承認が必要となります。
また、地方公務員法第4節 第24条その5には「職員の給与、勤務時間その他の勤務条件は、条例で定める。」とあります。そのため、各自治体の服務規程を確認する必要があります。
民間企業のように自分の意思だけで辞めることはできませんが、手続きそのものは難しいものではありません。
警察官を退職する流れ
警察官が退職するための手順は以下の通りです。
・直属の上司に報告、面談
・辞職届の提出
・整備品の返却、引継ぎ
・辞令交付
詳細は配属部署によって違います。報告から退職までの期間は報告の流れや、規則によって違いますが、2週間程度で退職できた事例もあります。
警察官の退職手続き①直属の上司に報告、面談
退職を決めたら直属の上司に報告をします。報告後はさらに課長、副署長、署長へと報告が上がっていきます。また、報告の際に退職理由や退職希望日などを明確にして伝えるようにしましょう。
警察官の退職手続き②辞職届の提出
指定の書式がある場合が多いので、人事担当者の指示に従い辞職届を記入し提出します。
警察官の退職手続き③整備品の返却、引継ぎ
退職日までに身辺整理をしておきます。整備品は紛失部がないかどうか確認し指示に従い返却します。後任者に引継ぎを行います。
警察官の退職手続き④辞令交付
退職日当日は署長より辞令交付を受けます。そのため、退職日当日は職場に行く必要があります。
警察寮などに入寮している人は、これらに加えて退寮の手続きや引っ越しを行う必要があります。退職までの期間が短い場合は事前に新たな住居を探しておくようにしましょう。
警察官を辞める時の注意点
警察官を辞める時に、引き止めにあうケースもあります。警察官は民間企業のように自分の意思のみで退職することはできず、任命権者の承認が必要となります。
警察官が退職を上司に報告すると面談が行われます。職場によっては報告が上に上がっていくにつれて様々な人と面談を行うこともあります。その際に、退職理由や今後の予定について聞かれます。
警察官は上下関係が厳しいため、面談の際に威圧的な対応をされてしまうことで退職手続きを進めることができずに退職できないこともあります。退職理由が上司のパワハラなのであれば面談でも委縮してしまい、上司を説得することは困難となります。
「民間で働けば、収入は減るぞ」、「同僚や上司に迷惑をかけるのか」など言われても、上司を説得できるように準備をしておきましょう。転職先を決めておくことや、資格を取得するなど転職に向けた行動を起こしていることを説明できると上司を説得しやすくなります。
また、家族の理解を得らえていることを伝えることもポイントです。収入面や生活について今後の生活の話し合いができていることで、退職することは家族の意向であることもアピールできます。
本人や家族が納得し、転職や生活についてのビジョンが確立していることを明確に説明できても、ブラックな職場では強引な引き止めに合う可能性があります。
既にそのようなブラックな職場で、身体的・精神的に追い詰められている状況であれば、第三者に相談しアドバイスをもらうようにしましょう。自分一人で抱えていても解決できる問題ではない可能性もあります。
警察官を確実に辞めるには、退職代行が一番確実です
入念な退職準備と確固たる意志があり、上司からの威圧的な引き止めにも臆することなく発言をすることが出来る人は辞めることはできるかもしれません。しかし、全ての警察官がそのような行動をできるわけではないでしょう。
警察官を辞めるためには、労働組合・弁護士の退職代行を利用するのが一番確実な方法です。
退職代行は民間企業での退職で利用するようなイメージがあるかもしれませんが、警察官を退職するときも退職代行サービスを利用することはできます。とはいえ労働組合・弁護士以外の民間の退職代行サービスを利用することはおすすめしません。
労働組合・弁護士の退職代行を利用することのメリットは以下の2つです。
1. 代わりに職場と交渉してくれる
2. 最短で退職することができる
代わりに職場と交渉してくれる
民間の退職代行サービスでは退職の意思を職場に伝えることはできますが、職場と交渉をすることはできません。職場との交渉は労働組合や弁護士しか行うことが出来ない行為であり、民間の退職代行サービスでは行うことはできません。
また、警察官の退職は国家公務員法・地方公務員法に基づいて手続きが行われるため、法律の知識やノウハウが求められます。そのため、民間の退職代行サービスの中にはそもそも警察官の退職代行を受け付けていない業者もあります。
警察官を最短で退職することが出来る
労働組合・弁護士は法律のプロであり職場との交渉ができるため、上司からの引き止めにも毅然として対応してもらうことが出来ます。そのため、自身で上司と交渉するよりも早くに退職手続きを進めることが出来ます。
既にパワハラを受けている場合や、上司との関係性から身体的・精神的に疲労している状況で退職の交渉をすることはさらにストレスが蓄積されてしまいます。労働組合・弁護士が間に入ることで精神的にも楽な状態で手続きを行うことが出来ます。
警察官の退職代行は労働組合一択
自身で退職の手続きを始めるためには法律について理解し、転職準備と併行しながら上司からの強い引き止めにも対応しなければなりません。さらに最短で辞めようと思うとそのハードルは高くなります。
平常業務も行いながら退職手続き、上司の引き止めへの対応を行うことは大変であることは想像に難くないでしょう。特に署内で過去に強い引き止めにあったケースがあれば、自身の退職を申し出た時も同様になる可能性もとても高いです。
退職代行サービスを利用することで費用面の負担はありますが、迅速で確実に辞めることができる退職方法です。現状、引き止めにあっている場合や、最短で退職したい場合は労働組合・弁護士の退職代行サービスの利用を検討してみてください。
※弁護士を利用すると費用が非常に高くなります。そのため、裁判を起こさない限りは労働組合の退職代行サービスがおすすめです。
(下記参照)
退職代行サービスを探す時間がないあなたへ
オススメの退職代行は、「業界最安値(24,000円)」で「失敗しない」SARABAです。
労働組合運営のため、トラブルのない円満な退職が可能。
また、24時間365日スタッフ待機しているため深夜や土日祝日でも、即対応してもらえます。
困難な状況の方にこそオススメしたい退職代行です。